方言「あいそんない」を解説

「あいそんない」は富山県の方言だよ。

「あいそんない」は、標準語の『わびしい』と同様に、

物足りないとか、さみしいと感じる時に使用されるよ。

例えばね、部屋にほとんど物がなくてすごくシンプルな感じの時、それを「あいそんない」と言うんだ。
また、友達がいなくてひとりぼっちでさみしい時も、「今日はあいそんないなぁ」と表現するんだよ。

「あいそんない」は、「愛想がない」という意味から派生したものです。
もともと「愛想」とは、人が他人に対して親しみやすく振る舞う様子を指す言葉です。
「愛想がない」という表現は、元々は人の態度が冷たいや不親切な意味で使われていました。

しかし、富山県ではこの「愛想がない」という言葉が、時間が経つにつれて「あいそんない」という形に変化しました。
そして、それがさらに広がって「わびしい」や「物足りない」という意味で使われるようになったんです。

つまり、「あいそんない」という方言は、人の態度や雰囲気に関する表現から、環境や状況の寂しさや物足りなさを表す言葉へと変化したんですね。

ねえ、最近この町、人も減って寂れてきたよなぁ。

そやね、お祭りも少なくなって、町の雰囲気もちょっとわびしいわ。

この部屋、何もなくてあいそんないね。

この部屋、何もなくてわびしいね。

彼が引っ越してから、家があいそんない。

彼が引っ越してから、家がさびしい。

この景色、あいそんないけど、なんかいいね。

この景色、わびしいけど、なんかいいね。